医療英語学習サイト: 生理学入門と医療英語

生理学入門と医療英語


Physiology

生理学(physiology) とは、人体を構成する組織や器官の機能を研究する学問です。
人体は、外皮系筋骨格系神経系心循環系リンパ系
呼吸器系消化器系泌尿器系生殖器系内分泌系免疫系等の様々な体系
に分かれ、各々の機能を果たすことで成り立っています。

複雑な人体の生理学を理解する為には、医療英語を丸覚えするだけではなく、
その意味や役割をしっかりと把握することが大切です。

当サイトでは、それぞれの体系にある器官や部位の基本的機能を日本語で簡潔に説明し、
その英語名称を紹介します。
まず、体系を学習する前に、体系を構成している基本的な構成要素を学びます。
英単語を学習した後、画像で発音を確認できます。


⦿ 細胞


細胞(cell)とは、あらゆる生物の基本的な構造上、機能上の単位です。
細胞の大きさや形は様々ですが、顕微鏡でしか見ることのできない微小なものであり、
ほとんどの細胞はある基礎的な構造から成り立っています。
細胞は、その役割を果たす為、栄養、水分、酸素を必要としています。

細胞は原形質(protoplasm)という透明なゼリー状のものからできており、
約70%は水分、またその他の無機質・有機質の物質からできています。
原形質は、細胞内にある物質全ての総称ですが、
具体的に細胞は以下のような構造でできています。

細胞膜(cell membrane)は細胞の外側を覆い、細胞の形を保ちます。

細胞の中心にあるのは細胞核(cell nucleus)といい、
細胞の遺伝情報の保存や伝達等を行います。

細胞質(cytoplasm) は細胞核を囲っています。
細胞質は細胞を機能させる為の多くの小さな構造を持っています。

染色体(chromosome)は細胞核の中にある細長いものです。
一つの細胞の中には、遺伝子(gene)を含む46つの染色体があります。
遺伝子は、身体的・化学的特徴を親から子へ引き継ぐ役目をします。

同様の機能を持つ細胞の集まりは、異なる組織(tissue)、器官(organ)、
腺(gland)、体系(body system)を作り上げます。

⦿ 組織

組織(tissue)には以下の4つの種類があります。

上皮細胞(epithelial cell tissue)は体内外の表面を覆っています。
鼻、口、呼吸器官、胃、腸、皮膚、髪、爪、腺等に上皮細胞がみられます。

結合組織(connective tissue)は他の組織を繋ぎ固定させる役目をし、体のあらゆる部分にみられます。
筋肉と骨を繋げる腱(tendons) 、骨と関節を繋げる靭帯(ligament) 、関節を保護する軟骨(cartilage) 等が例です。

筋組織(muscle tissue) は体が伸縮する助けをします。
筋組織には三種類あり、骨と結合した筋肉、骨格筋(skeletal muscle)、
胃、腸、血管や他の器官等にみられる、平滑筋(smooth muscle)

心臓に見られる筋肉、心筋(cardiac muscle) があります。

神経組織(nerve tissue) は脳と体全体間で情報伝達をします。





⦿ 器官


器官(organ)は特別な機能を持つ組織の集まりです。
例として、心臓(heart)、脳(brain)、肝臓(liver)、肺(lung)、腎臓(腎臓)等があります。
器官の特有の機能を果たす為に共に働く器官によって、組織が形成されます。

⦿ 腺

腺(gland) とは特有の物質を分泌する器官であり、導管を通して体外あるいは消化管内に分泌物を出す外分泌腺(exocrine gland) と、
導管がなく血液内に分泌物を出す内分泌腺(endocrine gland) があります。

⦿ 体系

体系(body system) はある特有の役割を果たす為に
共に働く器官や腺が集合した組織のことです。以下がその例です。
次のページから、それぞれの体系をより詳しくみていきます。